4. 歌の背景

シベリア抑留の過酷な日々の中から、吉田正の曲に、

増田幸治がそのままの状況を詩に書き留めてできあがったこの歌は、

伐採、石炭の採掘などの強制労働の行き帰りに隊の 皆で歌われた。 歌を歌うことで、

抑留者達はお互いを励まし合った。本当に大変な 仕事を課され、

食べる物のない中を次々と隣の仲間が死に絶えていく中で、この歌を 歌うことで、

「絶対祖国にたどり着くのだ」と、抑留者は歯をくいしばって耐え忍んだ。

吉田は、この歌の楽譜を持ち帰ることができなかったが、帰還した元抑留者達の

記憶から知られるようになり、「異国の丘」というタイトルで発表され、歌われるようになった。