出むかえの人の中に..... 故国への第一歩を印した私たちの眼の中に突然とびこんできたものは、大勢の出むかえの人たちの感謝の声にまじって、一きわ大きく、スマートな軍服に身をつつんだ、青い眼をした米軍の兵士であった。 シベリアの抑留地の中で、常に青い眼で監視されつづけてきた私たちにとって、故国の中で、また青い眼にぶつかることに、一抹の不安と疑念を抱かせるものがあった。 しかし、それは胸中に秘めて、引揚者の寮へと向って、再出発の歩を運んだ。 22年7月20日