78-79: 草刈り作業

78-79: Mowing

草刈り作業 

帰国乗船待ちの頃、草刈り作業に協力を求められたので仕方なく作業に出た。日本では見たこともない、身長よりも長い大鎌で草刈りだ。  一日中大きな鎌を振り回すと腕が麻痺してしまい動けなくなる。「ダバイ、ダバイ(急げ急げ)」のソ連兵の罵声と監視の眼に囲まれての作業は辛かった。  初めの協力を頼む猫なで声とは反対に、日一日と作業ノルマを上げられ、兵士はむごい労働に全くヘトヘトに疲れてしまう有様だった。がもうすぐ乗船できるとの甘い夢を描きつつ兵士たちの草刈り作業はつづく。 

昭和20年9月中旬