無事ラーゲルに戻る 翌日警察から収容所に連絡がついて、ソ連軍の将校が私を引きとりにやって来た。 将校に引率されてラーゲルに戻る途中、ソ連の子どもたちが日本人の私を珍しげに見物にやってきて、「ヤポンスキー、ソルダート」と口々にはやしたてるのであった。 無事ラーゲルに戻った時、戦友たちは、私が脱走したものと思いこんでいたようであったが、無事戻ってきた私を、本当に心からよろこんでくれた。 昭和21年5月